建築工事で一番心配なのがいわゆる「手抜き工事」。
無さそうで頻繁にあることで、しかもその部分は隠れてしまいますから、症状が出ないことには発覚しにくい部分でもあります。
どうしてそんなことが起こるのか？
その理由は大きく２点あります。
ひとつは、「その工事全体でいくら」という請負の形式。
つまり１か月にできる仕事の量を増やせば収入が上がりますので、少しでも速く終わらせて次の現場へと向かいたいわけですね。
実際は少々手を抜いたところでそんなに時間は変わらないと思いますし、それならば他の段取りの部分で工夫をしたら良いのに…と思ってしまいます。
ふたつめは、「自分持ちの材料があること」でしょう。
わかりやすく書けば、大工は釘やビスは自分持ちの部分があります。例えば間柱には３本釘を打たなければならないことになっていますが、これを１本で止めれば１棟あたりいくらか違ってくるわけですから、少しでも利益を出そうと思えば省略、省略の仕事をしてしまうわけですね。
これらを見張るために「現場監督」なんて名前のつく仕事がありますが、これを指摘すると職人たちと仲が悪くなりますから、なかなか言えない。そんな環境が手抜き工事を生んでいるのです。
建築業界の闇は沢山あり、これらを解消できないことには良い家なんて建つはずもないのです。見た目の意匠にごまかされないように、結局は「家の差は、職人の差」でしかないのです。
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・2015.R+house全国大会個人の部全国２位受賞
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