「肩を寄せる家」様では、土台敷きも終わり足場も掛けられて静かに24日の上棟を待ちます。お天気の方も何とか雨を避けられそうで良かったです！
普段見ているようで見ていないのが、この住宅の基礎の部分。
基礎コンクリートはどうしても凹凸がありますので、表面にモルタルを塗って仕上げます。このことを建築用語で「基礎巾木仕上げ」と呼びます。
巾木（幅木）とは、室内の床と壁の隙間を隠し、掃除等を行う時の壁面を保護している資材を指しますが、その様子が外部基礎面も似ているために「基礎巾木」と呼んでいるのでしょう。
巾木仕上げは、一般的にはモルタル（コンクリートから砂利を省いたもの）により、女性のファンデーションのように表面を綺麗に仕上げます。
しかし、これがどうしてもヘアクラックが入ったり、毛細管現象により地中の泥を吸い上げたりしますので汚れてきます。
その汚れも数年すれば全体に馴染みますので、結果的には目立たなくなりますが、新築の際には気にされる方も多くいます。
昔の家では「犬走り」と呼ばれるコンクリートを基礎外周に打ちましたので、この基礎の汚れは目立ちませんでしたが、最近は犬走りも見かけません。
そこで基礎を塗装したり、タイルを張ったりで汚れをわからなくしています。
アール津標準の仕上げは、この画像のような「NSP Fシート」を張ります。
このシートは、不織布と高耐久弾性樹脂が一体化したシートであり、表面の弾性樹脂が空気を遮断し、コンクリートの中性化を抑制することにより高耐久化にも役立ちます。
泥の吸い上げによるシミや白華現象（エフロレッセンス）を隠し、コンクリートの乾燥を防ぐので、乾燥収縮クラックも抑制する事ができるのです。
まだまだ施工している会社は少ないように思いますが、コストも抑えられた上で基礎巾木の役割をこなすことができる優れモノですね。
採用が少ない理由はおそらく「誰が施工するの？」といった点かと思います。
基礎屋さんがするのか？左官屋さんがするのか？こういった初めてのことは誰もがやりたがりません。
アール津では、この仕事は大工さんにしていただいています。外仕事の方はどうしても意匠よりも強度や耐久性にこだわる傾向に強く、中仕事の大工さんの方がとても几帳面ですので、美装には向いていると思うからです。
お客様とはこういった打合せをすると、今までそこまで見ていなかった…と友人の家を見ても気づいていない方が多数ですが、仕様打合せにていろんなことを知ると、明日から家を見る目が確実に変わります。
デザインは細部に宿りますので、ディテールには馬鹿みたいに、とことんこだわっているのです。
ブログをご覧の皆様も明日から、「基礎の巾木仕上げ」に注目して近隣の家をご覧くださいね。
もちろんシートが嫌という方には、オプションとして塗装やタイルにも対応していますよ。
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（受賞履歴）
・2020.日本金属サイディング工業会施工例全国最優秀賞受賞
・2014.R+house建築家が選ぶベストアドバイザー受賞
・2014.2015.R+house全国大会法人の部２年連続全国３位受賞
・2015.R+house全国大会個人の部全国２位受賞
・2014-2017.kitchenhouse納入実績４年連続全国１位受賞
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