外壁の選択

外壁の選択にはもちろん予算を含め、様々な要素が絡みます。

例えば、メーカーと価格が同じ窯業系サイディングでもなぜか傷みやすい物と傷みにくく艶が長持ちするものもあるのです。

今回のアイムの家Ｈ様邸では、陽や風のよく当たる面は白系のもの、おそらく苔が生えやすいであろう面には、黒系のものとツートンカラーで仕上げています。

苔は風の乗った胞子などが外壁に付き、繁殖してしまうことが原因です。

ですので、都会の街中では苔はあまり付きませんが、ここ三重県のように自然豊かで田や川、それ以外にも緑がある環境が近いとどうしても発生してしまうのです。

苔は水分や胞子などの栄養分があれば必ず成長していきます。

そのため家の陽当たりが悪く、風通しの悪い場所で、水分さえあればいつの間にか苔が発生していくのです。

また、壁がでこぼこしているのも苔が発生しやすい条件となります。壁の溝になっている部分に胞子が付くことでコケが発生するのです。

最近はその苔を簡単に落とせる専用剤が売られていますが、薬剤であるため表面のコーティングに悪影響を及ぼし、簡単に綺麗になったけど妙に苔が付きやすくなったなんてお話も沢山あります。

綺麗に保つコツは繁殖しないように、早め、早めに洗い落としてしまうことですね。

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・2021.第17回優秀住宅研究会全国大会営業コンテスト第2位受賞

・2021.日本金属サイディング工業会施工例優秀賞受賞（全国ベスト6）

・2020.日本金属サイディング工業会施工例最優秀賞受賞（全国ベスト1）

・2015.R+house全国大会個人の部全国２位受賞

・2014.2015.R+house全国大会法人の部２年連続全国３位受賞

・2014.R+house建築家が選ぶベストアドバイザー受賞

・2014-2017.kitchenhouse納入実績４年連続全国１位受賞

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課題が克服できると楽しい

家を建てる土地には、もちろん良いところもあれば、欠点も存在します。

その土地の欠点は建築で補えるものかどうか？を判断するのが土地選びの肝となってくるわけですね。

画像の「比べない家」様では、土地は実家のお隣ということで決定済みでした。

この土地には、良い点も沢山ありますが、欠点は隣家に囲まれているため日当たりが取りにくいことでした。でも、オーナー様は日当たりの良い明るい家を望まれています。

建築家ナカタヒロヨ先生と打合せし、ＬＤＫに日当たりが取れるように設計に工夫を凝らし、画像のような明るい家が仕上がったのです。

ＬＤＫの真ん中に光を落とすといった斬新な吹抜けもつくりました。

こうして土地の持つ弱点を克服できた時は、何とも言えない「この土地に勝った感」が湧きおこり嬉しいものです。

建築中は果たして思い通りに明るくなるのか？もしかして明るくなかったらどうしようと不安もよぎりましたが、いやいやあれだけ考えたんだから間違いないとか自問自答しながら足場が取れる日を待ったものです。

課題が克服できた時の快感が忘れられず、また建築バカにはまっていくのです...。

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美しいものは飽きない

「降り注ぐ家」様の玄関ドアは、YKKapの「イノベストD50（樹脂複合枠仕様）」ということで、熱還流率も0.95という高断熱仕様です。

玄関ドアに凝った家を見ることは少なく、どこも似たようなドアとなりますので画像を見ただけでも、ちょっと上品で品格が異なりますね。

玄関周りはやはり家の顔、少しの工夫でこんなにも見え方が違ってきます。

その玄関ドアの上品な風合いにマッチするように外壁に張られた1,200×600㎜の大判タイルがお互いを引き立て合います。

自由設計の新築となるといろんな部分に目がいきますが、何もかも拘っていたらとても高額になってしまいますので、かけるところにはしっかりとかける。妥協する点は妥協するといった決断が必要となってきます。

アール津のお客様の大半は一度大手量販ハウスメーカー様を回ってきていますので、そちらと比較し、あまりにも安い金額に驚いて、多くのオプションを採用して下さいます。

私たちが意匠の上で気にするのは、美しいか、美しくないか？です。

デザインも古びるものですので、できるだけ飽きがこない、古びないものをつくるには、やはり「美しい」ことが一番なのです。

そのために常に「黄金比」を意識しています。

そう、身近なものでも自然界では

オウムガイの渦巻き、ひまわりの種の並び、松かさ（松ぼっくり）の模様などですね。

人間が作り出したものでは、モナリザ、パルテノン神殿、ミロのヴィーナスなどの芸術品。

AppleやGoogleなどの企業ロゴもそうです。

デザインは技術なのです。

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マジックミラー・ガラスの特性

アール津標準仕様の窓は画像のような「マジックミラー・ガラス」

この仕組みにより、明るい方から暗い方が見えにくくなっています。つまり昼間は外から室内が見えにくいということですね。

本当は、部屋の弱い光も外に透け出ています。それでも外から部屋が見えにくいのは、外で反射している強い光にまぎれてしまうことにより、見えなくなっているのです。

ただし、夜になって外が暗くなると、マジックミラー・ガラスの見え方は一転します。外から照明をつけている室内の中が、まるでステージかのように明るく丸見えになって、室内から見るとまるで窓は鏡のように映り、外は見えません。

よくオーナー様のお子様はここで喜んでダンスをしているのを見かけますね（笑）

この技術は様々なところで活用されており、レース・カーテンにもミラー効果があるものもあり、同じように部屋の外と中の見え方が変わります。

他には、目を保護するためのサングラスや防犯、おもちゃなど身の回りのいろいろなところで活用されているのです。

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新幹線の席幅は同じではない

建築を知る者は３６ｃｍという幅を常に意識しています。これは日本の文化であり、生活には欠かせない基準なのです。

最近は料理屋さんでしか見ることもありませんが、大きなお盆の幅はこの３６ｃｍ。実は標準的な日本人の腰幅に合わせてあるのです。

旅館の仲居さんが沢山の食器を何度も運ぶのに腰幅よりも広いと腕をぶつけてひっくり返したりしますし、その前に身体に負担がかかってしまいます。

その３６ｃｍのお盆を両手で持つとちょうど肩幅の４５ｃｍくらになります。日本建築の畳の幅が９１ｃｍという目安で成り立っているのもこの計算からでしょう。

ちょうど二人がお盆を持ってすれ違える４５ｃｍ×２ですね。

電車とかの７人掛けシートは３６ｃｍ幅でつくられています。これも標準的な腰幅からの計算ですね。（私はお尻が大きいから…という人がいると７人座れません）

それと比較し新幹線の座席はもう少し広いです。これは長距離移動に使う電車という特性からでしょう。

普通席は４４ｃｍ、ただし３人掛けの真ん中は両肩がぶつからないように４６ｃｍとされています。気づいていた人はどれだけいるでしょう？？

もちろんグリーン車はもう少し広く、５０ｃｍも取っていますね。

このたとえでわかりやすいのですが、たった数センチの違いで暮らしやすくも、暮らしにくくもなってしまうのが建築です。

わざと回転率を上げるために長時間の居心地を悪くした飲食店、逆に高齢者を狙いゆっくりとしてもらうためにソファ席を用意したコメダ珈琲などの飲食店。私たちプロは様々な点で工夫をしているのです。

※参考文献：眠れなくほど面白い建築の話（スタジオワーク）

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建具屋さんの技術

建築の中でもっとも繊細な技術を要求されるのは、「建具屋さん」。建具とは、ようは「扉」や「窓」のことですね。

昨今はこれらの既成品を使うことがほとんどかと思いますが、アール津のような少し凝った建物をつくる際には規格サイズに合わないもの、デザインにこだわりたいもの、があり、それらは建具屋さんにオーダーすることになります。

ところが長年アール軍団の一員としてやってきた建具屋さんが、病に冒されて亡くなってしまい、残念ですが代わりを探さないといけません。

そこであちこちに聞き取りをしながら腕と人間性に優れた建具屋さんを選択していたわけですが、やっと代わりが見つかりました。

普通は建具屋さんという仕事は、木を削ったり切ったりすることが多いため、作業場の足元はゴミだらけとなるものですが、この建具屋さんは画像のとおりよく片付いています。これを見ただけで仕事ぶりがわかるというものです。

建具屋さんがどれほど繊細な仕事かというと、引き違い戸などがあった時、その四角い開口部が全て「矩（カネ）」と建築業界では言いますが、「直角」に合っていることは難しく、ほとんどが思うようにはいきません。

そのため既成品の扉では、その扉を閉めた際にできる隙間を隠すために「ドア枠」と呼ばれる戸を被せるように隙間を隠す縁が付いています。

ところが、建具屋さんがよく和室などにつける襖は、この隙間隠し枠が無く、柱にトンとつけるわけです。

そうすると、先ほどの「矩（カネ）」では無い四角い開口内にピタッと収まるように、長方形ではなく、時には台形、時にはもっと複雑な形状で扉を造作するわけですね。

それが合っていないと扉と柱の間に隙間が見えてしまいます。

つまり腕の良い大工と、腕の良い建具屋が揃ってこそ、こういった神業的な住宅ができるわけです。

かといって最近は、先に述べたドア枠のある新建材がほとんどで、しかも柱が丸見えでそこに扉をトンと付ける住宅（真壁）なんてあまり見かけません。

ほとんどが大壁と呼ばれる柱をプラスターボードの中に収めるやり方で仕上げます。

私はどうしても美しい住宅に憧れますので、腕の差は大切です。

特に建具屋さんという仕事は、自分が造った襖等を生涯お金ももらわずにお守することが一般的なのです。

木造住宅では傾きや反りは当たり前なのですが、そこもしっかりと見極めて、できるだけ呼ばれることの無いように仕上げる。自分の腕に責任を持つといった職人気質の最たる仕事です。

新しい職人（けっこうなお歳ですが...）に期待したいと思います。

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「蝶番」は何て読む？

建築は歴史が古く50～60年前までは、田舎の上棟というと近所総出で手伝ったと聞きます。なので昔の人は結構建築用語にも詳しく、家は自分たちでメンテナンスすることが当たり前でした。

最近は何か不具合があるとすぐに我々工務店に連絡をもらうもので、それはそれでありがたいのですが、自分で直せるものをもったいないなと感じてしまいます。

Youtubeという便利なツールもありますので、できたら自分でチャレンジしないと、その子どもまでも無知なまま育ってしまっていいのかな？と危惧してしまいます。

「蝶番」という言葉、読み方はご存知でしょうか？

これは、どの家にでも使われている開き戸や収納の扉を開閉できるようにするための端に付いている「金具」です。

中央に芯があって、左右にパタパタと動く金具の形状が蝶のようなことから「蝶番」の名がついたのです。

「番」という漢字は、当然１番、２番といった番号に使われるわけですが、それとは別に、２つに合わせて１対になる「番（つがい）」という読み方、意味もあるのです。

よく鳥の夫婦のことなどを「つがい」と言いますよね？

ですので、この「蝶番」の読み方の正解は「ちょうつがい」です。

今晩は自宅の「蝶番」を探して、子どもにその名前でも教えてあげて下さい。入試に出るかも？(笑)

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