昨日に引き続き「職人」の話になります。
最近のSNS等は、その大半が悲しいことに工事の不具合のことばかり…。私たちがどれだけ努力して難しいものをつくり上げても、お施主様目線と技術的な目線は全く異なることをよく感じます。
基本的に職人は自分の仕事を口に出して自慢することは少なくて、逆にお客様に気づいてもらえなくても当たり前。それでも自分の仕事には誇りを持っているという奴ばかりです。
若い時から親方に「口で言い訳をするな！」と鍛えられていますので、何を指摘されてもそれに対して反論することもなく、黙々と仕事をこなすのが職人気質ですね。
この津市M様邸のエクステリアリフォーム工事でも、今日は素敵な技術を見つけました。
既存のブロックに対して、新たなブロックを延長している部分になりますが、おわかりでしょうか？？
既存のブロックはずいぶんと以前のものですので、同じ型のものがありません。一般的なブロックは高さが200㎜・横幅が400㎜ですが、こちらは高さが140㎜。しかも横幅が450㎜ということで、似たようなサイズ・デザインのブロックにての施工です。
さてさて、私が見つけたのは何でしょうか？？
そうこのブロックは、ブロックの両面に張り材を施したもの。既存のブロックの厚みが150㎜に対し、160mmということで１㎝だけ厚みが異なるのです。
その１㎝を気にするのが職人です。
両面に張り材があるので簡単に削ることもできません。そこでブロックを真ん中で割って中部分を削り再び張り合わせ、150mmに揃えてくっつけているのです。
誰も気がつかないし、職人も話さない。
だからこそ私たちは素敵な仕事だと思うのですが、今の時代は違うのでしょうね…。
そりゃ愛想は大事ですし、態度も大切でしょう。私もそう思います。
それでもそれ以上に大切なのは、仕事だと思うのです…。本当の人間性は仕事に現れるものです。
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