この度の震災に際し、心よりお見舞い申し上げます。
私も全国に沢山の工務店仲間、建築コンサルティング先がありまして他人ごとではない直接的な傷みを感じます。
本日は通例の伏見稲荷大社への会社の初詣に出掛けました。これでおそらく17年目かと思うのですが、これほど複雑な気持ちの初詣は初めてでした。商売のことよりも、北陸地方の方の命が一人でも多く助かることを願うしかなく、本当にお正月どころではありません。
それでも日本は平和でSNSに平気で美味しい物を食べたとか載せている人もいれば、フェイクニュースを上げていたずらを楽しんでいる人。
いやはや、もはや日本はどうなっているのでしょう？
地震に関しては、やはり津波にはどうしても負けますが、家屋の倒壊または家具の転倒による事故が目立ちます。
自分の家だけがしっかりしていても隣の家が倒れ掛ってきたり、土砂災害があればイチコロということもひと目でわかります。
そんなニュースの中で、とてもユラユラと揺れている燈篭が倒れなかった映像を見ました。
これは私が日頃説いている重心と剛心の位置関係でしょう。
■重心：建物の質量の中心
■剛心：強度の中心
これが一致しているからこそ、揺れが小さく、当然揺れ戻しも小さく収まりまるで手品のように倒れずに済んだのでしょう。
住宅も全く同じでとても重要なことです。
この「重心」から「剛心」が離れていることを「偏心」と呼び、その離れ具合を偏心率で表します。
もう少しわかりやすく書くと、
地震の時に発生する力は、建物自体の質量の中心である「重心」に最も大きく加わりますね。
その一方で、建物の構造上最も剛性が強いポイントである「剛心」には揺れ・振動の負荷がかかります。水平方向に揺れたり、剛心を中心として回転するような動きを加え、建物をねじれさせるのです。
この両者の距離が遠ければ遠いほど（＝偏心率が高いほど）建造物への負担が大きくなるわけです。
「耐震等級３」だからと謳ったところで、偏心率が高いと計算上・設計上の強度は発揮しきれず耐震性が低くなってしまうのです。
そのため、建築基準法では高さ13mを超える鉄筋構造の建築物や高さ9mを超える木造建築物をはじめとした特定建築物に対して、偏心率0．15を上回らないことを義務づけられているのですが、皆様の住宅にはこれが該当してきませんね。
もちろん「耐震等級」というものをおざなりにしているわけではありません。重要です。でも、それだけではないということを知って欲しいのです。
しっかりと知りたい方は、ぜひアール津に勉強に来て下さい。
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